[上海 19日 ロイター] 19日の上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルが銀行間取引で1ドル=6.5824元と、前日終値(6.5829元)からほぼ変わらず(小幅続伸)で引けた。人民元の基準値はこの日、過去最高値を更新していた。胡錦濤国家主席の訪米(18―21日)後に人民元相場が下落する可能性への警戒感が高まっていることが背景にある。
19日は米中首脳会談や共同記者会見などが予定されている。
中国人民銀行(中央銀行)はこの日、基準値を6.5885元と、基準値としては過去最高値を更新。前日の基準値は6.5891元。
ある上海のアジア系銀行のディーラーは「基準値と人民元の取引レンジから判断して、胡主席の訪米後に人民元がさらに上昇すると市場が予想していないことは明らかだ」と語った。
ディーラーらは、人民元が胡主席の訪米後に下落するか、米ドル指数の値動きにおおむね追随すると予想。元相場の短期的な底値は6.60元とみられている。
ドル/人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.4560元と、前日終値(6.4450元)に比べ元安・ドル高で推移している。同相場は、人民元が1年後に2.05%上昇することを織り込んでいる。
人民元の対円相場は100円=8.0244元(前日終値は7.9782元)、対ユーロ相場は1ユーロ=8.8505元(同8.7950元)。