旅行中一番おいしかったのが北京の “湯城小厨” という広東料理のお店です。あっさりしていて脂っこくない。日本人好みの味だと思います。中でも鳩の丸焼きが絶品でした。外側がパリパリっとしていて、中の肉は引き締まって味がある。鶏よりずっとおいしい。
すごく繁盛していました。ワイワイガヤガヤ、皆食べながら遠慮なく大きな声でおしゃべりして、賑やかで楽しい。
中国のレストランに入ると、食べるというのは一種の快楽なのだということを実感します。日本はちょっと違う。食べることの快楽を露にすることに対して後ろめたさが働いたり抑制をかけるようなマナーが伝統的にあるような気がする。禅の影響かしらん?
同席に一人、特に食べるのが大好きな人がいて、私が普通の野菜炒めみたいなのを選んだら、「だめだめ、普通の料理じゃつまらない。普段食べない変わったものを頼まなくっちゃ」と言って、ウェイトレスと、これは何だ、どんな味だ、とか、お薦めはどれだ、とか、長い間やり取りしていました。ウェイトレスも店がすごく混んでいて忙しそうなのにも関わらず、日本みたいに「お決まりになりましたら、お呼び下さい」じゃなくて、面倒がらずにちゃんと一緒に考えてくれました。こういうのってすごくいい。
“汤城小厨”
北京市東城区金宝街21号
Tel:010-65282121
↓地図と口コミ情報(中国語)
http://www.dianping.com/shop/2313145 自分で払ってないので正確な金額はわからないのですが、おそらく4人で300元~400元(4200円~5600円)くらい。ネットの口コミ情報には、一人平均77元(1078円)とありました。この味(質)でこの値段は、すごくリーズナブルです。
おいしくて、そして懐かしかったのは、新疆料理のイスラム食堂でした。
昔中国に留学していた時、学校から歩いてすぐのところに新疆村がありました。平屋のバラックの前に半露天のような形でテーブルを出した簡易食堂が何軒か連なり、安くておいしいので、留学生たちの行き着けの店となっていました。
私が通った新疆村の食堂は今は取り壊され、なくなってしまったので、新疆料理を食べたいという私の希望のために、新疆駐北京事務局内にあるイスラム食堂に連れて行ってもらいました。
新疆駐北京事務局という看板が掲げられた門をくぐると、中は大学のように広い敷地で、アパートや売店があります。北京の新疆人がここに集められて住んでます。完成間近の大きくて立派なホテルもありました。
「立派なホテルだね。」
「北京に出てきた新疆人が泊まれるホテルがないから急いで造ってるんだよ。宿泊拒否されるから。」
「それって、ホテル側がトラブルが嫌だから泊めたくないってこと?つまり個々のホテルの判断?それとも…」
「いや、通達が出てる。」
「でも、今建ってるこのホテルってすごい立派な感じだよね。宿泊費も安くないと思うんだけど、お金がない人はここにも泊まれなくない?」
「そうだね。」
独特の香辛料を使って煮たり焼いたりしたワイルドな味のする羊肉料理がメインです。左がシシカバブ、真ん中のは、下にナンが敷いてあって、その上から煮た羊肉をスープと一緒に掛けた料理です。スープが滲みて柔らかくなったナンが美味でした。
これはうどんのような麺の上に炒めたトマトと野菜と羊肉を掛けたものです。留学時代によく食べた定番料理。
二人で112元(1568円)でしたが、4人分くらいの量がありました。一皿の量が多くてとても食べ切れなかった。
ネットの口コミ情報には、一人平均55元(770円)とありました。
“新疆伊斯兰饭庄”
海淀区三里河路7号新疆驻京办事处院内(西苑饭店南)
Tel:010-88365363 86832666
↓地図と口コミ情報(中国語)
http://www.dianping.com/shop/512216