2008 (142)
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2010 (94)
2011 (140)
君は吉野の千本ざくら 色香よけれどきが多い
春はうぐいす何着て寝やる 花を枕に葉をかけて
土手の蛙のなくのも道理 みずにあわずにいるからは
分かりゃ二た根の朝顔なれど 一つにからんで花が咲く
泣いていたのかうつむく萩を 起こしゃこぼれる露の玉
父よ父よとなくみの虫は こずえ力に秋の風
じみな恋仲まことと诚 雪の白鷺ゃ目に立たぬ
不二の雪さえとけるというに 心ひとつがとけぬとは
蓑虫、いとあはれなり。 鬼の生みたりければ、親に似てこれも恐ろしき心あらむとて、親の怪しき衣(きぬ)引き着せて 「今、秋風吹かむ折ぞ、来むとする。待てよ。」と言い置きて逃げて去(い)にけるも知らず、風の音を聞き知りて、八月(はづき)ばかりになれば、 「ちちよ、ちちよ」と、はかなげに鳴く、いみじうあはれなり。枕草子以降、日本では、親に捨てられた鬼の子の蓑虫は秋になると「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴くのです。