2008 (142)
2009 (130)
2010 (94)
2011 (140)
小阪修平の『はじめて読む現代思想』(芸文社)という本に、哲学と宗教の違いが次のように書かれている。
…哲学というのは、もともと「○○とは何か」という問いではじまった思考のシステムのことです。「○○とは何か」というのを「なぜか」と言い換えてもいいんですが、「あるとは何か」(存在の意味ということですね)、「自分とは何か」とか、かんたんに答えられない問いを必然的にだしていきます。もっとちがう言葉で言えば、物事の根拠までもんだいとしていくのが哲学です。…
「○○とは何か」という問い、たとえば「自分とは何か」とか、あるいは「われわれはどこから来て、そしてどこにいて、これからどこに行くのか」とか、そういう問いを哲学と宗教は共通してもっています。
哲学と宗教のちがいがどこにあるかというと、…一言で言うと、宗教というのは一番の核心に啓示があるんです。啓示というのは、あるとき、神様か何か知りませんが、そういうものがぼくに働きかけるとか、あるときぼくが悟って世界の真理を見てしまうとかね。ちなみに、世界の真理を分かった人のことを仏様と言います。分かったということが、説明するより先に存在するわけです。そういうのを、誰でもが使える言葉で探求していこうというのが哲学であると言えます。
先日、ぼた餅の話を書いたが、私が棚から落ちるのを待っているぼた餅とは、あるいはこの啓示のことかもしれないと、ふと思った。