2008 (142)
2009 (130)
2010 (94)
2011 (140)
まさか自分が天才ほどに賢いなんて、それ程うぬぼれてはいないけれど、少なくともバカではない、普段はそう思っている。ところが時折、ひょっと、自分がひどく鈍感で何もわかっていないと気付かされるときがある。それはもちろん知識の問題ではない。この世の中に私の知らないことなどごまんとある。
例えば、私は新聞や雑誌でスケルトンパズルやクロスワードパズルを目にすると、挑戦せずにはいられない。すべての枠が埋まるまで諦めない。パズルの専門雑誌を買うようなマニアではなくて、ただ目の前にそれがあれば穴を埋めたくなる。謎は解けるはずだという確信のもとに。
現実も謎に満ちている。ただ普段は謎を謎だと感じないだけだ。ふとしたことで、物事が明らかになって「腑に落ちた」とき、それがかつて「謎」であったことに初めて気付く。パズルのピースが合わさって突然絵が現れるように、バラバラになった断片がつなぎ合わされて、一つの意味が立ち上がる。
そうやって、人は日々、脈絡なく横たわる出来事に意味を与え続けていくのかもしれないと思った。