夢を見た。 私は仲間の女性2人と共に、とても広い体育館のような建物に閉じ込められている。社会に革命かクーデターのような何か大きな変革が起こって、私たちは外に出ることが許されない。いつまでもこんなところに足止めを食っているのはかなわない、何とか外に出たいと思う。私たちは体育館の一角にしつらえてあるカウンターへ並ぶ。そこで書類を[
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未来へのベクトルを持たぬ私を
過去が捉える
これは罰なのだろうか
私は罪を犯したのだろうか
いいえ、私は神を信じない
人は物質にすぎない
因果関係は頭の中で作り上げる妄想だ
現実は無造作に放り投げられた偶然の重なり
つまり私は神を信じないので
罪を認めないので
罰を甘受しないので
それで怖いのだ
生きて[
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楊逸の『金魚生活』(文学界9月号)を読んだ。芥川賞を取った『時の滲む朝』よりずっと面白かった。受賞以前の作品である『ワンちゃん』や『老処女』と同じく一中国人女性の人生や生活に視点を据えた物語こそ、この作家にとって本領発揮できる舞台であると思う。
主人公は玉玲という五十一歳の中国人女性で、中国の東北地方に住み、レストランで働[
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僕の意思に反して
次から次へと运ばれる
甘いお菓子
叫べ!
僕はお腹がいっぱいなんだ!
伝えろ!
僕は甘いものが大嫌いなんだ!
でも僕は主張できない
甘味で
頭がくらくらしている
喉まで
お菓子で
ぎゅうぎゅうづめ
それで僕は
叫ぶ代わりに
ケーキに添えられた
ナイフを
ぎゅっと握りしめる
[
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今月発生した中国産の冷凍いんげんから高濃度の農薬が検出された事件の報道と、一月の中国製冷凍餃子への農薬混入事件の報道とを比較すると、そのトーンに違いがあるように思う。前回の時は初めから製造工場の責任或いは中国での混入と決め付けて、ヒステリックな報道がなされていたが、今回は2度目ということもあって、報道の調子が比較的抑えられて[
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窓のすぐ外に金木犀の大きな木があるので、毎年この時期になると一日中甘い香りに包まれる。その香りに誘われて、去年の同じ時期の自分を思い出す。金木犀の香りは毎年変わらないのに、その香りに包まれる私の心境は、去年同じ金木犀の香りに包まれていた時とはずいぶん様変わりしている。すると今度は、変わらないはずの香りがなんとなく去年と同じ香[
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振り返れば恥の多い人生だと思う。それはおそらく诚実に生きてこなかったからだ。
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うっかり手をはなして
空にとんでいってしまった
赤い風船を
取りもどしてよ、と
泣きじゃくる
しまった、と思ったときには
もう遅くて
背伸びして飛び上がっても
届かなかった
赤い風船は
どんどん どんどん 遠のいて
青い空に溶けていく
私の風船
飛んでいってしまった風船
さっきまで目に鮮やかに映りこんでい[
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珍しい夢を見た。 私は相撲部屋で雑用係をしている。部屋にいると、今日はカラオケ大会だったと、あわてて出かけることになった。私も浴衣を着て数人の力士とともに駅へと来ると、ホームは他の部屋からも集まってきた力士たちでいっぱいだった。やがて新幹線が滑り込んできたが、私たちの目の前には止まらず、ずっと先の方に停車した。私たちがあれ[
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