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毎日新聞 9月6日(土)9時2分配信
沖縄県教委文化財課は5日、世界遺産で国指定史跡の「首里城」(那覇市)の御嶽(聖地)跡で出土したチョウセンサザエの殻の中に、15世紀半ばから16世紀のものとみられる金銭8枚があったと発表した。2個のサザエが組み合わされ、大きい方に金銭が入っていた。御嶽の基礎部分の石積みや陶磁器の中に入った金銭が見つかった例はあるが、貝殻の中から見つかったのは初めてという。
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文化財課によると、金銭は当時の琉球王国が御嶽を創建する際、地鎮を兼ねた縁起物の「厭勝銭」として埋納したと考えられ、貨幣としては流通していなかったとみられるという。
県埋蔵文化財センターが1996年度に首里城?京の内地区の御嶽跡で実施した発掘調査でサザエが見つかったが、当時は金銭が入っていると確認できなかった。今年2月に資料を整理した際、サザエの奥に金銭が押し込まれていたのを見つけたという。
金銭は直径17~21ミリ。殻長約7.5センチのサザエの中にあり、殻長約5センチのサザエがらせん状に押し込まれてふたの役割を果たしていた。同じ堆積層の出土品から、金銭は15世紀半ばから16世紀のものとみられ、県内最古の可能性がある。
沖縄県内ではこれまで、斎場御嶽(南城市)から10枚、園比屋武御嶽(那覇市)から6枚、首里城東のアザナ御嶽跡から1枚の計17枚の金銭が見つかっている。文化財課は「何らかの理由でサザエを容器として使ったとみられるが、これまでの常識を覆した初めての事例。今後も同じようなものが見つかるかもしれない」と話している。【佐藤敬一】