2005 (265)
2011 (1)
2012 (354)
2013 (600)
英国の市場調査会社、カナリスが公表した最新のリポートによると、今年4~6月期における中国のスマートフォン出荷台数は1億850万台となり、世界市場全体の37%に達した。
同四半期の中国におけるメーカー別出荷台数は、同国のメーカーであるシャオミ(小米科技=Xiaomi)が前年同期比240%増の1500万台となり、初めて韓国サムスン電子を抜き1位になった。
これに対し、サムスンは同15%減の1320万台で、2年半ぶりに2位に後退した。
このほかのメーカーを見ると、中国レノボ?グループ(聯想集団)が1300万台で3位、酷派(クールパッド)ブランドのユーロン(宇竜計算机通信科技)が1270万台で4位、中国ファーウェイ(華為技術)が1190万台で5位だった。
今回初めて首位になったシャオミについては、かねてその急成長ぶりが報告されていたが、同社はここに来て一段と成長速度を速めている。
米ウォールストリート?ジャーナルによると、今年1~3月期の中国市場におけるシャオミのシェアは10.7%。これに対しサムスンは18.3%、レノボは11%だった。これが4~6月はシャオミが約14%、サムスンとレノボはそれぞれ約12%となった。シャオミのシェアは1年前のわずか5%から急拡大した。
シャオミの強みは価格性能比の高い端末や、アンドロイド(Android)をベースにした独自仕様の基本ソフト(OS)「MIUI」にあるとカナリスは分析している。同社はこれらを通じ、地域に密着した機能とサービスを提供しており、そのマーケティングも効果的だという。
同社には、旗艦モデルの「小米手机(Mi)」と廉価モデルの「紅米手机(Redmi、旧英語表記はHongmi)」があるが、いずれも低価格ながら最新部品を備えるスマートフォンとして人気がある。とりわけ後者の紅米手机シリーズが好調で、同社の成長を牽引しているとカナリスは分析している。
カナリスによると、4~6月のシャオミの全出荷台数に占める中国市場の比率は97%。同社は今年シンガポールに進出し、今後マレーシア、インドネシア、インド、タイなど10カ国以上への進出を目指している。だが依然、同社製品のほとんどは中国向けとなっている。
ただ、中国は世界最大のスマートフォン市場。同国で1位という地位は世界市場でも存在感を示すことになる。別の調査会社である米ストラテジー?アナリティクスによると、4~6月の世界スマートフォン市場の出荷台数ランキングは、サムスン、アップル、ファーウェイ、レノボ、シャオミの順だった。
シャオミの出荷台数は1年前の410万台から約3.7倍になり、同社は世界市場で初めて5位に入った。ストラテジー?アナリティクスもカナリス同様にこうしたシャオミの躍進を報告している。
それによると、シャオミ製品は中国市場で広く人気があり、オンライン販売や通信キャリアを通じ、四半期ごとに数百万人単位で利用者を増やしたという。
一方、対照的だったのはサムスンだ。前述の通り、同社は中国市場でシェアを減らし、2年半ぶりに首位の座を明け渡した。
ストラテジー?アナリティクスの世界市場調査によると、サムスンのシェアは1年前の32.6%から25.2%に低下し、出荷台数は同2%減少した。上位6社の中で出荷台数が減ったのはサムスンだけだった。
サムスンには、高価格帯端末の分野ではアップルが、低価格端末分野ではファーウェイなどの中国メーカーがライバルとして存在し、依然激しい競争に直面しているとストラテジー?アナリティクスは指摘している。
(JBpress:2014年8月6日号に掲載)