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産経新聞 7月18日(金)10時9分配信
富士通が半導体生産拠点である三重工場(三重県桑名市)と会津若松工場(福島県会津若松市)を海外企業に売却する方向で調整していることが18日わかった。半導体事業は採算の好転が見込めないため、生産活動からは撤退し、今後は設計?開発業務の一部を継続するだけとなる。
富士通は家電などの画像処理用半導体を手がける三重工場を、台湾の半導体受託生産会社、聯華電子(UMC)に売却する方向で最終調整に入った。今年度内に共同で新会社を設立し、同工場を移管する。富士通は将来的に出資比率を下げて連結対象から外す。
台湾積体電路製造(TSMC)とも売却交渉を進めていたが、条件が折り合わず、今回、UMCへの譲渡を決めた。
一方、車載用半導体を生産する会津若松工場も米オン?セミコンダクターに売却する方向で調整している。
三重工場800人と会津若松工場700人の従業員の雇用は維持する。
富士通は半導体事業の低迷を受け、再編を進めてきた。設計?開発では平成25年にアナログ半導体とマイコンを米スパンションに売却。システムLSIは今秋にパナソニックと新会社を設立する。生産からの撤退が同社の大きな課題となっていたが、今回の売却でようやくめどがついた。
富士通は半導体事業の採算悪化を受けて、「DRAM」などメモリー製品からの撤退を手始めに生産品目を絞り込んで、生き残りを図ってきたが、これで製造面からは全面的に手を引くことになる。