世間一般では、株式投資は長期投資が基本という言葉が正論としてまかり通っているように感じます。

 しかし、株式市場は上がったり、下がったりを繰り返すものです。とりわけ、長期下落相場にもかかわらず、株式なんて危険なものを後生大事に持ち続けたら、命の次に大事な投資元本が致命的なダメージを受けることはまず間違いないでしょう。

 ですから、「株式相場の長期トレンドが上昇時には、株は長期投資が基本」ということになります。また、「株式相場の長期トレンドが下落時には、株は近づくな危険」ということになります。つまり、長期投資が正論となるためには、前提が必要なのです。

投資資金が小額なら短期トレードしかない

 それはさておき、貧乏人は、金持ちと違い、投資資金がわずかです。例えば、今回のコラムでは、50万円程度しかもっていない20代~30代の投資家が人生を一発逆転するにはどうするべきか、という企画です。

 結論としては、まずは、世間的に忌み嫌われている「短期投資」をするべきです。50万円を死ぬ気で回転させ、売買代金を膨らますことがまずは必要です。当たり前ですが、投資対象は、ボラティリティーの高い、時価総額の小さな銘柄群です。

 50万円の10%は5万円です。しかし、50万円の売買を10回繰り返し、10%のリターンを常に得られれば、買い代金は500万円、売り代金は550万円になり、その差し引き50万円が利益になるのです。(税金、手数料等は無視)無論、トレードが成功するにつれ、買い代金も膨らむため、複利効果も期待できます。

プロのディーラーが宵越しの株を持たない理由

 ちなみに、証券会社の自己売買部門の証券ディーラーの多くは、よほどのことがない限り、宵越しの株は持ちません。彼らもまた、ポジション枠を効率的に回転させて、利益を追求しています。

 それでは、なぜプロの証券ディーラーが、宵越しの株を持たないのか。それは、リスク管理を徹底しているからです。つまり、リスク管理を徹底すればするほど、株なんて危険なものを持ったまま、寝れないということになります。むしろ、寝れる投資家は、よほどリスクが大好きか、リスクに対して鈍感ということになります。貧乏人は、当然、リスクに対して、敏感にならないといけません。

 また、貧乏人は投資元本を短期で回転させないとなりませんので、必然的に、金持ちと、投資に関する時間軸が全く異なります。具体的には、金持ちは25日移動平均線や13週移動平均線とかで、相場のトレンドを判定すればいいでしょう。しかし、貧乏人は通常、5日移動平均線の向き、および、株価と5日移動平均線との位置関係で、判定するべきです。場合によっては、5分足ベースの25本線とかも使う必要があります。
例えば、「オッ、5日移動平均線を上抜けた!買いだ!!」、「アッ、5日移動平均線を割り込んだ!損切りだ」、「5日移動平均が上向きの間は、買いポジを引っ張ろう」などと考えるわけです。

 金持ちはもっと長い移動平均線で判定しますから、ゆったりとした投資が可能です。しかし、より短い移動平均線は反応が激しいので、貧乏人は、右往左往です。まさに、「貧乏暇なし」です。しかし、この暇を惜しんで、相場と格闘し続け、対価を得られることに成功すれば、その後は、ゆったりとした金持ち的投資が可能になるのです。

短時間で儲かるのは「急落時の突っ込み買い」

 ところで、おそらく時間的にもっとも、短時間で儲かる可能性が高いのが、急落時の突っ込み買いです。何らかの材料が出て、大量の売り物が殺到する場面で、勇気を振り絞って敢然と買い注文を入れて、その無证趣猡