茉莉花 蒲原有明
我的心啊,被悲伤所笼罩,我悲痛欲绝,呜咽不止,
轻纱般的帷帐微微摇曳举起,光华闪耀不停,
有时映现出你的容颜,宛如在妩媚的原野中盛开
那罂粟花将要凋谢的娇姿与残余的香气。
我们私密的谈话将我吸引,我的灵魂已经融化,
我再次哭泣,紧紧地将你拥抱在我的怀里。
秘密的悲伤,梦境的陷阱--全部就在你的臂弯中,
我那充满痛楚的赤裸之心再也不能逃脱。
又有一个晚上,你没有出现,唯有你的丝绸长袍
耳边无端传来衣裳摩擦声音,沙沙作响
唯有那声音传来,不见人至,此时此刻我心痛伤,
在芬芳的茉莉花香充满房间的美好夜晚中,
你的微笑融入花香其中,轻轻抚慰着我的伤痛
仿佛来到我身边,渗透我的身体,将芬芳赐给我。
茉莉花 蒲原有明
咽(むせ)び?(なげ)かふわが胸(むね)の曇(くも)り物憂(ものう)き
紗(しや)の帳(とばり)しなめきかかげ、かがやかに、
或日(あるひ)は映(うつ)る君(きみ)が面(おも)、媚(こび)の野(の)にさく
阿芙蓉(あふよう)の萎(ぬ)え嬌(なま)めけるその匂(にほ)ひ。
魂(たま)をも蕩(た)らす私語(さゝめき)に誘(さそ)はれつつも、
われはまた君(きみ)を擁(いだ)きて泣(な)くなめり、
極祕(ごくひ)の愁(うれひ)、夢(ゆめ)のわな、――君(きみ)が腕(かひな)に、
痛(いた)ましきわがただむきはとらはれぬ。
また或宵(あるよひ)は君(きみ)見(み)えず、生絹(すずし)の衣(きぬ)の
衣(きぬ)ずれの音(おと)のさやさやすずろかに
ただ傳(つた)ふのみ、わが心(こゝろ)この時(とき)裂(さ)けつ、
茉莉花(まつりくわ)の夜(よる)の一室(ひとま)の香(か)のかげに
まじれる君(きみ)が微笑(ほほゑみ)はわが身(み)の痍(きず)を
もとめ來(き)て沁(し)みて薰(かを)りぬ、貴(あて)にしみらに。